どうも、こんにちは。
本日は、『日本沈没』です。
今回は日本最大のSF作品『日本沈没』の魅力を1973年、2006年に公開された実写映画を比較検証しながら、2020年にNETFLIXでアニメ化された『日本沈没2020』をネタバレなしで紹介します。
みる前の予習用としても活用できる内容となっています。
【原作について】
【作品情報】
『日本沈没』は小松左京によるSF小説。書き下ろし長編で、1973(昭和48)年3月に刊行され、上下巻合わせて460万部の空前の大ベストセラーとなりました。
同年には映画化され、翌年には連続テレビドラマ化もされました。
それ以降に2006年に再び実写映画化され、2020年にはNETFLIXでアニメ化。
それ以外にも、色んな作品に多大なる影響を与え続けている、日本を代表とするSF作品の一つです。
【原作のあらすじ】
197X年、海底を調査していた潜水艦操縦士(小野寺俊夫)と地球物理学者(田所博士)は日本列島の地下で起きている異変に気がついた・・・。それは日本列島がこのままだと数年内に沈没してしまうという恐ろしい予測であった。
それから、日本政府は死にもの狂いで奔走する・・・。
【1973年版 日本沈没】
【作品情報】
1973年の年末にお正月映画とした公開された。約880万人の観客を動員し、興行収入は16億4000万円を挙げる大ヒットを記録した。
◆スタッフ
◇監督:森谷司郎
◇脚本:橋本忍
◆キャスト
◇藤岡弘、/役名:小野寺俊夫
◇いしだあゆみ/役名:阿部玲子
◇小林桂樹/役名:田所博士
◇夏八木勲/役名:結城
◇丹波哲郎/役名:山本総理
【2006年版 日本沈没】
【作品情報】
TBSなどを中心に製作費20億円をかけて製作されたリメイク作品で興行収入53億4000万円の大ヒットとなった。海外の多数の国でも公開された。
◆スタッフ
◇監督:樋口真嗣(代表作:ローレライ、シン・ゴジラなど)
◇脚本:加藤正人
◆キャスト
◇草なぎ剛/役名:小野寺俊夫
◇柴咲コウ/役名:阿部玲子
◇豊川悦司/役名:田所博士
◇及川光博/役名:結城
◇石坂浩二/役名:山本総理
【1973年版と2006年版の違い】
【違い1】ストーリー展開の違い
1973年版では田所博士や山本首相の行動を中心にストーリーが展開されるが、2006年版では小野寺と阿部の交際が主軸となるストーリー展開となっている。
【違い2】1973年版は男だらけだった?
1973年版の出演者には女性は阿部玲子と渡老人の世話をする姪くらいしかでてきませんが、2006年版では最高責任者となる危機管理担当相(鷹森大臣)が大地真央さんで、女性の活躍も目立ちます。
主人公より柴咲コウさんのほうが活躍してます。
時代に合わせて設定を変更したんでしょうね。
それにしても、大地真央さんの演説シーンはいまいちでしたね。
【違い3】キャラ設定に違いがある
原作、1973年版では資産家令嬢だった阿部玲子。
2006年版では阪神・淡路大震災によって両親を亡くし、東京の叔母に引取られる。
ハイパーレスキュー隊員としての活躍シーンもある。
2006年版の田所博士は若く設定され、しかも鷹森大臣と元夫婦の設定になっている。
それと、 大きな違いは渡老人が登場しないことです。
2006年版では”日本沈没”が科学的根拠で証明されていくので必要がなくなったと推測します。
【違い4】結末が違う?
原作、1973年版では、南関東直下地震でかなりの死者・行方不明者が出る。
それが、2006年版では東京都内全ての住民の退避後に津波が襲来してくるといった内容に変更してあり、柔らかい印象を受けるようになっている。
そして、最後の最後のオチが決定的に違います。
【1973年版と2006年版の感想】
1973年版は原作本が出てから数ヶ月での映画公開ということで、かなり原作に忠実に描かれています。
見どころのシーンもきちんと描かれており、よく144分という長さにこれだけの情報量をいれ、きれいにまとめ上げたなと思います。さすが黒澤明の一番弟子の森谷司郎監督です。
それに比べると2006年版は時代に合わせて?設定を変更している。
ただそれ以上に受ける印象までも変わってしまっていた・・・。
その時代に合わせて製作している以上、社会情勢や科学の進歩などの要因で色々変更することもあると思うが、原作へのリスペクトを忘れてはならないと思う。
2006年版は当時では巨額の20億を掛けて製作されており、大きな注目作品でそれなりにヒットしましたが、今みると当時のCGの粗さが目立ってしまいます。
それに引き換え、1973年版はCGがない時代なので特撮が使われており、逆に新鮮さを感じます。
決して2006年版が単体でひどい映画かというと、そこまで悪くない映画だと思いますし、当時は話題作としてヒットしていたので一定量は成功だったといえるのではないでしょうか。
リメイク作品の難しさを感じた作品になりました。
【2020年版(アニメ)『日本沈没2020』】
【作品情報】
この作品も小説『日本沈没』をもとに、2020年の日本を舞台にしたNETFLIX配信アニメ(全10話)となっています。そして、『日本沈没2020』は劇場公開されることが決まっています。全10話を再編集し、『日本沈没2020 劇場編集版 シズマヌキボウ』で、11月13日から全国公開される。
◆スタッフ
◇監督:湯浅政明
TVアニメ『クレヨンしんちゃん』の作画監督・原画を手がけ、注目を浴びるようになる。監督作『夜明け告げるルーのうた』は、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門で最高賞となるクリスタル賞を受賞。これは宮崎駿(『紅の豚』)と高畑勲(『平成狸合戦ぽんぽこ』)に次ぐ日本人史上3人目の快挙。日本を代表するアニメーション監督です。
◇脚本:吉高寿男
◆キャスト
◇武藤歩:上田麗奈
◇武藤剛:村中知
◇武藤マリ:佐々木優子
◇武藤航一郎:てらそままさき
◇古賀春生:吉野裕行
【あらすじ】
2020年、日本を襲った突然の大地震。都内に住むごく普通の家族、武藤家の歩と剛の姉弟は一家4人で東京からの脱出をしようとする。沈みゆく日本列島は、容赦なく彼らを追い詰めていく。次々と襲い掛かる試練に歩と剛は、未来を信じ、懸命に生き抜く強さを身につけていく・・・。
【感想とまとめ】
・・・あらすじを読んで気付きましたか?
そうなんです。設定が全く違うんです。
原作や今まで映像化された作品は国家視点で描かれているのに対して『日本沈没2020』は一家族に焦点を当てた物語となっています。
列島水没の設定以外に共通点がほとんどないんです・・・。
ちょっとヤバいですよね。原作に対するリスペクトが”ゼロ”です。
全く違った作品です。何でこうなってしまったのか・・・というのが、素直な感想です。
『日本沈没2020』については原作ファンの視聴は十分覚悟してからのご鑑賞をおすすめします。
『日本沈没2020』を原作無視でみた場合・・・出てくるキャラが個性的なのに時間が短かくあっというまに次々と話が進んでいきます。
日本列島が沈没するのがメイン設定ですが、それ以外の要素がワンサカあり飽きずにあっといまに10話が終わっちゃいました。
原作のことを考えずにみれば十分面白い作品で楽しめると思います、気になる方はNETFLIXで絶賛配信中なので是非どうぞ。
【最後に】
ここまでどうでしたか?映像化してきた作品を一気に紹介しました。
原作にほぼ忠実に再現した1973年版と少しオマージュした作品の2006年版、全く新しい作品になった『日本沈没2020』、それぞれ個性があって見比べると『日本沈没』のすべてが楽しめると思います。
1973年版『日本沈没』も2020年9月19日にNETFLIXで配信が開始されますので、この機会に一気見してみてはいかかでしょうか?
【おまけ】
関連作品として、是非紹介したい作品があります。
『日本以外全部沈没』です。すごいタイトルですよね。
この映画は筒井康隆原作の同名映画作品です。
まあ簡単にいうと『日本沈没』のパロディ作品です。内容は元ネタとは逆で日本以外が全部沈没してしまったという、めちゃくちゃな設定の物語です。
正直期待せずにみたら、これがなかなか面白いんです。99%コメディでハチャメチャな作品です。だまされたと思ってみてください。腹抱えて笑っちゃう事間違いなし!?
最後まで読んでいただきありがとうございました。