「歌舞伎って難しそう？」そんなイメージ、今日で卒業！
映画『国宝』は、芸道小説の金字塔を原作に、豪華キャストと映像美で“人生の舞台”を描き切る感動作です。吉沢亮×横浜流星のW主演、李相日監督が手掛ける壮大な人間ドラマが、あなたの心に新たな“国宝”を刻みます。
これから映画館で『国宝』を観るあなたに、物語の深みと見どころを徹底ガイド。この記事を読めば、スクリーンの隅々まで楽しめること間違いなし！
1. 原作の魅力
1-1.原作は吉田修一の傑作小説
『国宝』は作家生活20周年記念作品であり、2017年から2018年にかけて『朝日新聞』で連載、加筆修正を経て2018年に上下巻で刊行されました。
この小説は歌舞伎界を舞台に、芸に生きる人間の栄光と苦悩、人生の極限を描き切る壮大な群像劇で、芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞をダブル受賞するなど高い評価を受けています。語り口には歌舞伎の口上のような独特の文体が用いられ、読者を物語世界へと引き込みます。
1-2.原作者・吉田修一のプロフィールと創作秘話
吉田修一は1968年長崎県生まれの作家で、芥川賞や山本周五郎賞など数々の文学賞を受賞し、現代日本文学を代表する存在です。現実の出来事や土地、人物を徹底的に取材し、リアルな人間ドラマを描くことに定評があります。
『国宝』の執筆にあたっても、実際に歌舞伎の楽屋に足を運び、現場の空気や役者たちの所作を体感しながら物語を練り上げました。吉田の作品は、綿密な取材と独自の視点による深い人間描写が大きな魅力です。
1-3.読者の反応と原作の見どころ
『国宝』は、歌舞伎の世界を舞台にしながらも、芸に生きる人間の情熱や葛藤をリアルに描き、多くの読者から「感動した」「一気読みした」と高く評価されています。
歌舞伎に詳しくなくても物語に引き込まれる構成や、主人公たちの成長、濃密な人間関係が大きな魅力です。伝統芸能の奥深さと人間ドラマの面白さが融合し、読後には舞台を観たような余韻と高揚感が残る作品です。
2. 映画『国宝』の基本情報
2-1.あらすじ
任侠の一門に生まれた喜久雄は、抗争で父を亡くし、上方歌舞伎の名門・花井家に引き取られる。歌舞伎の世界に飛び込んだ彼は、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会い、正反対の境遇ながらもライバルとして切磋琢磨し、芸に青春を捧げていく。しかし、血筋や才能、愛憎や裏切りが交錯し、二人の運命は大きく揺れ動いていく。
2-2.制作スタッフ
| 監督 | 李相日 |
|---|---|
| 脚本 | 奥寺佐渡子 |
| 原作 | 吉田修一 |
| 製作 | 岩上敦宏/伊藤伸彦/荒木宏幸/市川南/渡辺章仁/松橋真三 |
| 企画・プロデュース | 村田千恵子 |
| プロデューサ | 松橋真三 |
| 撮影 | ソフィアン・エル・ファニ |
| 音楽 | 原摩利彦 |
| 主題歌 | 原摩利彦 feat. 井口理 「Luminance」 |
李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化しました。
2-3.監督・李相日の過去作と作風
李相日監督は、『フラガール』『悪人』『怒り』などで知られる実力派で、社会の片隅で生きる人々の感情や葛藤をリアルかつ重厚に描く作風が特徴です。
本作では、役者が舞台で「生きるために死ぬ」ような極限の覚悟や、芸にすべてを捧げる人間の姿を、圧倒的な熱量と繊細な演出で映像化。単なる伝統や権威ではなく、「誰にも見えない風景を追い続ける孤高の生き様」こそが“国宝”だと語っています。この視点が、映画『国宝』に唯一無二の深みと感動を与えています。
2-4.脚本家・奥寺佐渡子の得意分野
奥寺佐渡子は、人間関係の機微や心の葛藤を繊細に描く脚本を得意とする脚本家です。『八日目の蝉』や『コーヒーが冷めないうちに』など、家族や人生の選択、過去と向き合う登場人物たちの感情を丁寧にすくい上げる手腕が高く評価されています。また、『時をかける少女』『サマーウォーズ』のようなアニメ作品でも、日常の中にある非日常や成長のドラマを巧みに盛り込んできました。
本作でも、歌舞伎という伝統世界の厳しさや主人公たちの成長、家族やライバルとの複雑な関係を、奥寺らしい細やかな心理描写とリアリティで描き、観客の共感を呼ぶ脚本に仕上げています。
3. 映画「国宝」の見どころ
3-1.ストーリーの魅力
舞台は戦後から高度経済成長期の日本。任侠の一門に生まれた喜久雄と、歌舞伎名門の御曹司・俊介。血筋や才能に悩みながらも、互いに高め合い、時にぶつかり合い、芸の道に人生を捧げる二人の50年を描きます。
喜久雄は“血筋”を、俊介は“才能”を渇望し、愛憎が交錯。家族、恋、友情、そして芸への執念が交差する壮大な物語です。
3-2.演出や映像美
李相日監督ならではのリアリティと重厚感がある映像は、歌舞伎の舞台裏や日本の四季、昭和の街並みを細部まで再現。舞台衣装や所作、楽屋の空気感まで、まるで“本物の歌舞伎座”に迷い込んだような没入感を味わえます。映画ならではのダイナミックな表現で、原作にはない臨場感を体験できます。
3-3.音楽や演技のポイント
音楽は伝統的な邦楽と現代的なアレンジが融合。主演の吉沢亮、横浜流星は徹底した役作りで、歌舞伎の所作や発声、感情表現までリアルに体現。特に二人の“目線”や“間”の取り方は、スクリーン越しに心を揺さぶります。
3-4.歌舞伎の世界の魅力
歌舞伎の演目や舞台裏、役者同士の駆け引きなど、普段は見られない世界を覗けるのも本作の醍醐味。
壮大な人間ドラマ、圧巻の映像美、心に響く音楽と演技、そして伝統芸能の奥深さが一体となった、まさに“国宝級”の映画です。
4. キャスト紹介
4-1.主要キャスト
立花喜久雄（吉沢亮）
任侠の家に生まれ、父を失い歌舞伎の名門・花井家に引き取られる。血筋に悩みながらも、芸の頂点を目指す主人公。芸にすべてを捧げ、己の運命や血筋と向き合いながら、唯一無二の歌舞伎役者を目指す。
大垣俊介（横浜流星）
上方歌舞伎の名門の御曹司で、喜久雄の親友であり最大のライバル。生まれながらに将来を約束されるが、才能への渇望と嫉妬を抱える。
4-2.その他のキャスト
花井半二郎（渡辺謙）
喜久雄を引き取る歌舞伎界の重鎮で、名門・花井家の当主。厳格でありながら温かく、喜久雄の人生と芸の成長を見守る父親的存在。
大垣幸子（寺島しのぶ）
俊介の母であり、半二郎の後妻。梨園のしきたりや家族の葛藤を抱えながら、息子と家を支える。
小野川万菊（田中泯）
喜久雄の人生に大きな影響を与える人間国宝の歌舞伎役者。芸の厳しさや美しさを体現し、喜久雄にとって大きな壁であり憧れの存在。歌舞伎界の稀代の女形といわれている。
彰子（森七菜）
喜久雄を慕う歌舞伎役者・吾妻千五郎の娘。兄のように慕っていた喜久雄に恋をする。
立花権五郎（永瀬正敏）
喜久雄の父で立花組組長。物語序盤で喜久雄の運命を大きく変える。
立花マツ（宮澤エマ）
喜久雄の継母で、権五郎の後妻。
喜久雄の少年時代（黒川想矢）
幼少期の喜久雄を演じ、彼の原点や家族との絆を描く。
俊介の少年時代（越山敬達）
幼少期の俊介を演じ、名門梨園の跡取りとしての葛藤を表現。
梅木（嶋田久作）
喜久雄の才能を見込み、初舞台を用意する重要な役どころ。
竹野（三浦貴大）
喜久雄とともに時代を生きる仲間。
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その他にも、高畑充希や見上愛などの豪華キャストが脇を固め、物語に多彩な人間模様を加えています。
5. 映画『国宝』ロケ地完全ガイド
本作は2024年3月から6月頃に、京都を中心とした関西エリアで撮影が行われました。
5-1.京都府
京都市内では複数の場所で撮影が行われました。
5-1-1.歌舞伎座南座
喜久雄と俊介の人生の大きな節目となる、大きな舞台に立つシーンが撮影されました。
□〒605-0075 京都府 京都市東山区四条大橋東詰
5-1-2.東映京都撮影所
日本を代表する歌舞伎役者・中村鴈治郎さんが本作の歌舞伎指導を務めました。この場所で歌舞伎の所作など基礎を学びました。
□９, 太秦西蜂岡町 右京区 京都市 京都府 616-8163
5-1-3.上七軒歌舞練場、先斗町舞練場
京都花街の稽古場で、喜久雄の修業時代が撮影されました。
□〒604-8003 京都府京都市中京区橋下町１３０
5-2.兵庫県
5-2-1.豊岡市「出石永楽館」
近畿最古の芝居小屋のこの場所では、地方巡業のシーンが撮影されました。
□〒668-0234 兵庫県豊岡市出石町柳１７−２
5-3.岡山県
5-3-1.岡山市中区「矢吹邸」
2024年3月31日に「矢吹邸」前で歌舞伎名門一家・花井家の設定で撮影を行いました。
5-4.大阪府
5-4-1.東大阪市立日新高等学校
東大阪市立日新高等学校は、桜並木が有名な場所です。喜久雄と俊介の青春の象徴となるシーンが撮影されました。
□〒579-8003 大阪府東大阪市日下町７丁目９−１１
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映画『国宝』の撮影は、実際の歌舞伎座や京都・大阪の伝統的な劇場、昭和の街並みが残る関西各地で行われました。
6. まとめ：映画『国宝』を見るべき理由
【見るべきポイント】
・歌舞伎と任侠、二つの世界を舞台にした壮大な人間ドラマ
・吉田修一の原作を、李相日監督×奥寺佐渡子脚本で映像化
・吉沢亮×横浜流星のW主演が火花を散らす
・歌舞伎の舞台裏や昭和の日本をリアルに再現
・音楽・映像・演技、すべてが“国宝級”のクオリティ
歌舞伎を知らない人も、人生の葛藤や夢、友情や愛情に心を揺さぶられること間違いなし。映画館で、あなた自身の“国宝”を発見してください！
