映画『盤上の向日葵』は、芸術と業の狭間で生きる棋士たちの光と闇を描く感動作です。坂口健太郎×渡辺謙の重厚な演技で描く極上のミステリー。熊澤尚人監督が手掛ける壮大な人間ドラマが、あなたの心に新たな”感動”を刻みます。
これから映画館で『盤上の向日葵』を観るあなたに、物語の深みと見どころを徹底ガイド。この記事を読めば、スクリーンの隅々まで楽しめること間違いなし!
1. 原作の魅力
1-1.原作は柚月裕子の傑作小説
柚月裕子の『盤上の向日葵』は、2018年本屋大賞第2位にも輝いた傑作長編ミステリーです。
この小説は将棋界を舞台に、賭け将棋の真剣師と天才棋士の運命的な出会いから始まる壮大な人間ドラマで、刑事パートと過去パートが交錯しながら物語が進行します。
ミステリーの謎解きと人間の業を描く重厚な物語として多くの読者を魅了しています。将棋を知らなくても引き込まれる構成が大きな魅力です。
1-2.原作者・柚月裕子のプロフィールと創作秘話
柚月裕子は1968年岩手県生まれの作家で、専業主婦を経て、40歳で『臨床真理』により「このミステリーがすごい！」大賞を受賞し作家デビューしました。『孤狼の血』シリーズなどで知られる実力派ミステリー作家で、警察小説を得意とし、ハードボイルドな世界観と深い人間描写に定評があります。
『盤上の向日葵』の執筆にあたっても、将棋の世界を徹底的に取材し、棋士たちの生き様や賭け将棋の裏社会をリアルに描き出しました。
1-3.読者の反応と原作の見どころ
『盤上の向日葵』は、将棋の世界を舞台にしながらも、運命に翻弄される人間の生き様をリアルに描き、多くの読者から「涙が止まらなかった」「読後、心が震えた」と絶賛されています。将棋を知らない人でも、棋士たちの熱や孤独、誇りが胸を打つと評され、単なる推理小説の枠を超えた“文学的ミステリー”として高い評価を得ています。
白骨死体の謎を追うミステリーとしての面白さと、主人公の過酷な人生と成長、複雑な人間関係が絡み合う構成が大きな魅力です。
2. 映画『盤上の向日葵』の基本情報
2-1.あらすじ
山中で謎の白骨死体が発見される。事件解明の手掛かりは、遺体とともに発見されたこの世に7組しか現存しない希少な将棋駒。容疑をかけられたのは、突如将棋界に現れ、一躍時の人となっていた天才棋士〈上条桂介〉だった。
さらに捜査の過程で、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で裏社会に生きた男〈東明重慶〉の存在が浮かび上がる。桂介と東明のあいだに何があったのか?謎に包まれた桂介の生い立ちが明らかになっていく。それは、想像を絶する過酷なものだった……。
2-2.制作スタッフ
| 役職 | 名前 |
|---|---|
| 監督・脚本・編集 | 熊澤尚人 |
| 原作 | 柚月裕子 |
| 撮影 | 江原祥二 |
| 音楽 | 富貴祥二 |
| 主題歌 | サザンオールスターズ「暮れゆく街のふたり」 |
| 配給 | ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、松竹 |
熊澤尚人監督は、7年の歳月を掛けて自ら脚本を書き、メガホンを取り、壮大なヒューマンドラマを完成させました。主題歌はサザンオールスターズの「暮れゆく街のふたり」。桑田佳祐が特別に録音した“口笛バージョン”も劇中で使用され、映画の切なさや余韻を美しく彩る。
2-3.監督・熊澤尚人の過去作と作風
熊澤尚人監督は、『ユリゴコロ』『隣人X -疑惑の彼女-』などで知られる実力派で、人間の内面に潜む狂気や葛藤をリアルかつ繊細に描く作風が特徴です。
『盤上の向日葵』では、7年の歳月をかけて自ら脚本を書き上げ、緻密なストーリーと人物描写に重きを置いた演出を展開しています。主人公が抱える宿命や葛藤、そして将棋への執念を、観客の心に深く刻み込む演出が光ります。
3. 映画「盤上の向日葵」の見どころ
3-1.ストーリーの魅力
舞台は昭和から平成へと続く激動の時代。過酷な少年時代を生きた上条桂介と、賭け将棋の裏社会で伝説となった東明重慶。二人の運命的な出会いが、桂介の人生を大きく変えていきます。
桂介は将棋に人生のすべてを捧げるが、東明との出会いが彼に光と闇をもたらす。才能の影に潜む深い孤独と苦悩、そして真の意味で「勝つ」とは何かを問う重いテーマが、静謐な盤上を舞台に重層的に描かれ、観る者の心に強烈な余韻を残します。
3-2.演出や映像美
熊澤尚人監督ならではのリアリティと重厚感に満ちた映像は、将棋の対局シーンや昭和から平成へと移り変わる時代の空気を細部まで丁寧に再現しています。長野県・諏訪地域の雄大な自然や、片倉館の荘厳な建築が作品に深みを与え、登場人物たちの孤独と緊張を美しい光の中に浮かび上がらせます。
駒を指す仕草や棋士の表情、盤を見つめる瞬間までを緻密に撮影し、まるで“本物の将棋の世界”に入り込んだような没入感を体験できます。映画ならではのダイナミックな映像表現が、原作にはない臨場感と静謐なドラマを生み出しています。
3-3.音楽や演技のポイント
主題歌はサザンオールスターズの「暮れゆく街のふたり」。アルバム『THANK YOU SO MUCH』の中でも最も陰影が濃く、切なさに満ちた一曲が、桂介と東明の運命の出会いから生まれる物語の切なさをエモーショナルに包み込みます。
さらに桑田佳祐さんが坂口健太郎演じる主人公の”人生の転機”を彩るため、主題歌を「口笛バージョン」に特別アレンジし、劇中曲として起用。これは異例の対応で、作品への深い思い入れが感じられます。
主演の坂口健太郎は徹底した役作りで、桂介の繊細さと強さ、葛藤と情熱をリアルに体現。渡辺謙は人間として最低だが将棋指しとしては一流という東明の複雑な人間性を、圧倒的な存在感で演じきっています。二人の”対局シーン”は、まさに魂と魂のぶつかり合いです。
3-4.将棋の世界の魅力
将棋の対局や真剣師の世界、棋士たちの葛藤など、普段は見られない世界を覗けるのも本作の醍醐味。「将棋でしか生きられない男たち」の生き様が、スクリーンに焼き付きます。
壮大な人間ドラマ、圧巻の映像美、心に響く音楽と演技、そして将棋の世界の奥深さが一体となった、まさに”国宝級”の映画です。
4. キャスト紹介
4-1.主要キャスト
上条桂介(坂口健太郎)
過酷な少年時代を生き、将棋に人生のすべてを捧げる異色の天才棋士。アマチュアから異例の昇進でプロに駆け上がる。運命に翻弄されながらも、強い意志で自分の道を切り開いていく主人公。坂口健太郎がこれまでのイメージを覆す渾身の演技で、桂介の情熱と葛藤を体現しています。
東明重慶(渡辺謙)
賭け将棋の裏社会で圧倒的な強さを誇った伝説の真剣師。将棋指しとしては超一流だが人間として最低で、無頼派でありながら憎めない魅力を持つ男。渡辺謙が脚本をはるかに超える深みのある人間像を生み出しています。
4-2.その他のキャスト
宮田奈津子(土屋太鳳)
映画版オリジナルキャラクターで、桂介の元婚約者。桂介を愛し、彼の幸せを願いながらも、運命に翻弄される切ない役柄を静かな佇まいで演じています。物語のカギを握る人物と接点をもつ、ただひとりの人物。
石破剛志(佐々木蔵之介)
叩き上げの刑事で、白骨死体事件の捜査を担当。毒舌ながらも刑事として一流で、事件の真相を追い、桂介の過去を解き明かしていく重要な役どころ。
佐野直也(高杉真宙)
かつてプロ棋士を志した新米刑事。石破とともに事件を追う中で、真実や正しさに迷っていく姿を繊細に表現しています。
唐沢光一朗(小日向文世)
桂介の少年時代に出会い、彼の将棋の才能を見抜き、将棋の世界に導く恩師。桂介の過酷な少年時代に光を与え、親のように暖かく迎え入れた。
上条庸一(音尾琢真)
桂介の父。極貧のなか酒とギャンブルに溺れ、息子に金を無心する日々を送っていました。
兼埼元治(柄本明)
東北一の真剣師。東明とも深い関わりを持つ将棋の世界の重鎮です。
角舘銀次郎(渡辺いっけい)
山形で旅館を営む将棋愛好家。対局の立会人として、棋士たちの様々な闘いぶりを間近で見守ります。
壬生芳樹(尾上右近)
桂介の”表”の将棋界でのライバル棋士。10歳で小学生日本一に輝いた天才で将棋界の未来を背負う存在。
唐沢美子(木村多江)
唐沢光一朗の妻。桂介を母のような温かさで見守り支え、光となる存在です。
その他にも、多彩な豪華キャストが脇を固め、物語に深い人間模様を加えています。
5. 映画『盤上の向日葵』ロケ地完全ガイド
本作は2024年6月から7月にかけて、長野県諏訪地域を中心に撮影が行われました。
5-1.長野県・諏訪地域
長野県諏訪地域は、主人公・上条桂介が幼少期を過ごす、物語に欠かせない重要な舞台として作中に印象強く登場します。諏訪湖周辺の美しい自然風景が、桂介の原風景として描かれています。
5-1-1.片倉館
国指定重要文化財である片倉館は、昭和初期に建てられた洋風建築で、館内の大広間(204畳)で桂介が幼少期に将棋を打つ場面が撮影されました。荘厳な雰囲気が物語の重厚感を演出しています。
ちなみにこの場所は、原作小説にも登場します。
長野県諏訪旅行写真日記📷④
外観だけですが洋風の建物が印象的な片倉館。
私は観てないのですが「テルマエ・ロマエ」のロケ地だそうで、2025年秋に公開の映画「盤上の向日葵」のロケ地にもなったようです📽️
あんまり映画みないけど観に行ってみようかな？ pic.twitter.com/FBMOhVnzge— まゆ◆エアサイコロ (@mayu_nezumihood) February 23, 2025
□〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り４丁目１−９ 片倉館
5-1-2.竹屋みそ工場
諏訪市にある歴史あるみそ工場で、昭和の雰囲気が残る建物が印象的なシーンの舞台となりました。
□〒392-8540 長野県諏訪市湖岸通り２丁目３−１７
5-1-3.諏訪湖
諏訪湖の美しい風景は予告編にも登場し、物語全体を包む穏やかでどこか寂しげな雰囲気を演出しています。
5-1-4.旧岡谷市役所庁舎
昭和時代の建築が残る旧庁舎で、時代背景を表現する重要なロケ地となりました。
／
🏢第1回「旧岡谷市役所庁舎の歴史にふれるワークショップ」
＼映画「ゴジラ-1.0」や今月末公開の映画「盤上の向日葵」で使われた庁舎内部の見学と1階事務室の床を塗装します！
🈸申し込み🈸
企画課へ電話かメールで受け付け！応募者多数時には抽選。#岡谷市https://t.co/L9AzNdZDwr pic.twitter.com/05NYdlFvGd— 長野県岡谷市（Okaya City, Prefectura de Nagano）非公式 (@Okayacity2020) October 20, 2025
□〒394-0029 長野県岡谷市幸町８−１
5-2.その他の撮影地
諏訪地域を中心に、合計15カ所で撮影が行われました。それぞれの場所が物語の時代感や雰囲気を作り出す重要な役割を果たしています。
映画「#盤上の向日葵」
10.31全国公開へ
諏訪地域15カ所でロケ#ロケ地 #長野県 #諏訪湖 #撮影 #ロケ映画『盤上の向日葵🌻』諏訪地域のイベント情報を少しずつ🤏UPしていきます(^^)
お楽しみに〜🎬#Yahooニュースhttps://t.co/sUyQ5jgjgN— 諏訪圏フィルムコミッション (@suwakenfc) October 11, 2025
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映画『盤上の向日葵』の撮影は、長野県諏訪地域の美しい自然と歴史的建造物を活かして行われました。聖地巡礼すると確実に映画の余韻をさらに深めることができます。
6. まとめ:映画『盤上の向日葵』を見るべき理由
【見るべきポイント】
・将棋と人間の業を描いた壮大な人間ドラマ
・柚月裕子の原作を、熊澤尚人監督が7年越しで映像化
・坂口健太郎×渡辺謙の初共演が実現
・長野県諏訪地域の美しいロケーションと昭和から平成の時代をリアルに再現
・サザンオールスターズの主題歌「暮れゆく街のふたり」が心に響く
・音楽・映像・演技、すべてが”最高級”のクオリティ
将棋を知らない人も、人生の葛藤や運命、執念や贖罪に心を揺さぶられること間違いなし。映画館で、あなた自身の”感動”を発見してください!
